波状に成型したプラスチックフィルムに、ダイナミックスピーカーのコイルにあたる電極をプリントしたり貼り付けます。
その周囲にマグネットを配置して形成した電極に電流を流すと波状の振動板の山谷が開いたり閉じたりして空気を吸排気して音波になります。
数十年前に提唱されてツィーターなどに応用され、軽くてエネルギー感のある音質に多くのファンがいます。
今でもスイスのエルゴ社がヘッドフォンやフルレンジスピーカーシステムとして製品化していますし、ELACのツィーター(商品名JET-ツィーター)にも採用されています。
ハイルドライバーは質量のある電極をマグネットの力で押したり引いたりして駆動します。
すると加速がつくまで立ち上がりのスピードは遅いというダイナミック型の駆動です。
それに引き換え圧電型の特徴は、分子レベルの変移が振動板全体で起こり、一瞬にして大きな移動になります。
左の写真は空気を吹き込むと瞬時に巻き紙が伸びきる玩具ですが、圧電体では空気の流れが電流に対応します。
すなわち、空気(電流)が流れた瞬間には紙は延びきっています。
圧電型の方が圧倒的にリスポンスが良いと言えるでしょう。
また、周りに音波の伝達を悪くするマグネットのような遮蔽物がないのも大きなメリットです。